FEATURE
31
SHIBATA
柴田竜拓
ISSUE FOUR FEATURE

いまベイスターズに
必要なこと

クライマックス・シリーズのない2020シーズンのセ・リーグ。
首位ジャイアンツとは10ゲーム差以上離されて終盤を迎えたベイスターズ。
そんな状況の中で、いまベイスターズはどういう姿勢で戦うべきなのか。
その答えを導き出せる選手として、今回は柴田竜拓選手をピックアップした。

調子が良いと活躍を新聞に大きく取り上げられる選手。
調子が悪くなるとチームに大きな影響を与える選手。
ヒーローインタビューで多くのファンを魅了できる選手。
プロ野球選手の中にはそのチームの中で必ず目立つ中心選手がいる。

そんなチームの中心選手の活躍の横でニヤリと笑う選手。
「記録に残らないファインプレーで勝利に貢献するのは、結構気持ち良かったりします。
知っている人にしか分からない、野球を分かってる人には分かるプレー。
試合を振り返って勝手に自分で『あそこ良かったな』みたいに思っているんです。
細かいところでちょっとした喜びを感じています」

スタメン出場は少ないにも関わらず、出場試合数はチーム4位の91試合。(10月12日現在)
堅実な守備はもちろん、打撃でもベイスターズでは貴重なつなぎ役としてしぶとさを見せている。
「ホームラン打てなきゃ勝てないとか、ホームランじゃなきゃ得点が入らないチームだとやっぱり厳しいと思うので。
僕が出ているときには違う形で得点もできるというのが、チームの勝利に繋がってくればいいなと」
レギュラーじゃなくても、スタメンじゃなくても、
その出場試合数が柴田竜拓選手がチームになくてはならない存在ということを証明している。

そんな柴田選手も、今までずっと“影でチームを支える”タイプの選手だったわけではない。
小学校から中、高、大と全てのチームでキャプテンを務めるほどの中心選手だった。
周りを気にかけながら、キャプテンとして、チームを引っ張る立場として、どのように振る舞うか、
常にそれを考えてきた柴田選手ならではの言葉が、今回のインタビューで一番引き出したかった部分だ。

「僕は良くても悪くても常に“一定して”というのを意識しています。
立ち振る舞いもそうですし、打ったから元気、打たなかったから黙っているとかじゃなくて
もちろん今の僕の立場では成績を出し続けなきゃならないんですけど、
そこは関係なく、“同じようにありつづける”というのは常に意識しています」

一流選手やベテラン選手、ムードメーカーと言われる選手に共通しているのが感情や調子に左右されずに“一定している”ということ。
連勝中でも連敗中でも、調子が良くても悪くても、堅実に、忠実に。
そのプレーで浮き足立つチームを冷静に、沈みがちなチームをもう一度奮い立たせることができる。
この難しい状況の中でもプレーを変えない柴田選手の存在感は、
チームに心理的な安定感をもたらすという意味でも、大きい。

ベンチでは一つひとつのプレーに声を出し、声をかけ、
グラウンドに出たら小さい身体を目一杯動かし全力でプレーする。
それは開幕から今までずっと変わらないこと。
もちろん「悔しい」気持ちや「後悔」するプレーもある。
でもその思いの上に立って、柴田選手は“一定して”プレーし続けている。
それがベイスターズが目標を見失わずに戦うために必要な姿勢。

「どれだけ数字が開こうと、目の前に試合がある限りは最高の準備をして勝ちにつながるパフォーマンスをする。一球も無駄にできない」
そんな必死の決意を心に秘めながら、今日も笑顔でプレーしている。

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