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ラミレス・ノート
2017.7.3

 A.ラミレス監督が肌身離さず持ち歩くノート。そこには監督が感じたチームの全てが記されています。
 そのノートの中を覗くように、独占インタビューを実施。
 月に一回、“今”のベイスターズを客観的に分析し、優勝へ向けた次なる戦いの戦略をここだけに語る。

本インタビューは6月28日に収録されたものです

――70試合を終えた時点で33勝35敗2分(7月3日現在、37勝35敗2分)のセ・リーグ3位です。このポジションにいるのはプラン通りですか。

「よくやってはいるが、2位になれるチャンスはあった。いま2位と3.5ゲーム差(同2ゲーム差)だが、試合終盤で逆転されて負けてしまったゲームが、おそらく10試合ぐらいはあった」

――同一カード3連勝もなければ同一カード3連敗もないという展開でここまできました(6/30~7/2に今季初の同一カード3連勝)。

「3タテを食らっていない点はいいこと。逆に、一度も同一カード3連勝できていないのは、我々にそれができるだけの能力があるだけにもったいない。もう少しできたのではないか、という思いだ」

――ここまで、チームの犠打数は32(同33)で、盗塁数は24。ともにセ・リーグでは最少です。この数字をどう評価しますか。

「バントに関しては、もう少しできたかなという思いはある。昨シーズンはバントの成功率が低く、バントを100個するというのは今シーズンの目標の一つだった。ただ、我々のラインアップに変化があったのも事実。戸柱があれだけ打つとは思っていなかったので、彼のところでいまバントはあまりできないという状況だ。また、倉本が9番を打つようになり、バントをするシチュエーションが減った。現状のラインアップ的に、バント数が減らざるをえなくなっている」

――盗塁はいかがでしょうか。

「実際のところ、盗塁ができる選手が梶谷と桑原の2人だけしかいない。梶谷は14回トライして成功が11回と成功率が非常に高いので、この調子でやってほしい。桑原は、いまのところ7盗塁だが、もっと走ってもらえればと思う。基本的に、ほかの選手は盗塁をするだけのスピードを持っていない。倉本などは可能性があるが、盗塁をさせるとなると、サインを出してギャンブルスタートのような形になってしまうので難しさがある。各チーム、終盤に代走で出て盗塁を決めるスペシャリストがいると思うが、うちには足の速い選手は何人かいても、そういうスペシャリストはまだ出てきていないのが現状だ」

――シーズン80勝以上という目標を達成するためには、後半戦、勝ちのペースを上げていかなければなりません。そのために何が必要だと考えていますか。

「やはりローテーションのピッチャーをしっかり確立して、その人たちがケガなく、これからも仕事をまっとうしてもらうことが重要になってくる。先発がしっかり試合をつくれば、5連勝、6連勝というものの大きな原動力となる。いま、攻撃サイドは非常に状態がよく十分な得点力がある。筒香の状態も上がってきたし、80勝するだけの準備はもうできていると思う」

――先発陣では、交流戦MVPにも名前の挙がった濵口投手が非常によくがんばっていますが、彼のよさをあらためて表現していただけますか。

「彼は非常にいいものをたくさん持っている。スタミナがあり、球のスピードがあり、クイックも速い。これらを持ち合わせることで、相手からすると非常にタフなピッチャーになる。ただ、それをいかに使いこなせるかという点で、いまはまだ学んでいる最中だと思う。たとえば初球でストライクを取るにはどういう球種がいいのか、2球目でファウルを打たせるためにはどの球種で、どこにコントロールすればいいのか。そして決め球として、ストライクからボールにいく変化球を投げきれるかどうか。2ストライクの後の制球など、細かい部分をしっかりコントロールできるようになれば、これだけのいいものを持っているので、非常にタフなピッチャーになるだろう。セ・リーグでもベストの左ピッチャーになることができる、それだけのポテンシャルがあると信じている」

――一方でリリーフは、このところ逆転されて負けてしまう試合が何試合かありました。勝ちパターンの見直しはありえますか。

「いま、パットン、三上、砂田あたりが勝ちゲームで使う選手になっているが、そこに田中健も入れて、この4人をこれからうまくシャッフルしながら使っていきたいと思っている(※パットンは6月29日から一時帰国中)。これまでパットンには1イニングを任せていたが、これからはパットンがイニングの頭からいって、2アウトを取ったところで田中健に代えたり、その逆のパターンも用いたい。特にパットンと三上はホームでの防御率が6点近くあって非常に打ち込まれているので、4人を組み合わせて、うまく使いこなしていきたい」

――倉本選手について伺います。昨シーズンはエラーが6つでしたが、今シーズンはすでに9つのエラーを記録しています。彼の守備をどう評価していますか。

「やはりショートは非常に難しいポジションであり、エラーが起こりえるポジションだとは思う。ただ、彼は非常にハードワーカーだし、ポテンシャル的には、セ・リーグでもベストなショートストップだと私は思っている。彼のいいところは、エラーをしても決して下を向かず、悔しさを出して、次は絶対にエラーしないでやってやるんだという強い気持ちが見えるところ。もし彼がエラーした時に、下を向いてがっかりするような姿を見せた時はちょっと考えなければいけないなと思うが、まったく心配はしていない。倉本という選手は、自分がレギュラーであることを当たり前だとは思っていないし、毎日試合に出られる喜びをかみしめながらプレーしている。野球が大好きで、プレーボールからゲームセットまで、ずっとグラウンドにいたいんだという気持ちがすごく強い選手だ。古き良きタイプの野球選手と言えるかもしれない。こういう選手は、私の好むタイプだ」

――あくまで仮定の話ですが、倉本選手に故障などのアクシデントがあった場合、2番手のショートとしては誰を考えていますか?

「もし倉本に何かがあった場合、当初は柴田を考えていたが、ケガをしてしまったので、いまなら山下になる。彼はショートを守った経験もある。それから山崎憲晴の起用も考えている。後半戦はプレッシャーが大きくなってくるし、試合もより激しいものになってくる。そうした時、ショートのレギュラーを獲ったことのある彼の経験というものが生かせるのではないかと考えている」

――山崎憲晴選手の一軍昇格も、あるかもしれない。

「もし倉本に何かあった場合と仮定すると、その可能性は非常に高いと思う」

――確認ですが、宮﨑選手については、まだレギュラーだとは明言していませんね。

「現時点では、彼は“毎日出る選手”ではあるが、まだ正式なレギュラーではない。彼に関して、“毎日出る選手”とレギュラーの違いというのは、守備のところになってくる。バッティングに関してはレギュラーにふさわしいものを持っているが、9回までしっかり守り通せるかどうかという点を私はまだチェックしている。もちろんよくなってきているが、完全に信頼できて、最後まで守備を任せられるようになるかどうかで、今後、正式なレギュラーになるかどうかが決まるだろう。彼は練習も試合も一生懸命で、彼自身、レギュラーになりたいという気持ちはすごく強いが、正式なレギュラーだと明言することは非常に重い決断だ。そういうアナウンスメントをした時は、私はゲームセットまでずっと何があっても使うという強い決意を持っている」

――倉本選手や桑原選手を不振の時も使い続けたように。

「そうだ。長いスランプも経験したが、一度『この選手はレギュラーだ』と決めたら、彼らを100%信頼して、使い続ける」

――宮﨑選手が本当のレギュラーになれるかどうかというのは、今シーズンが終わるまで待たなければならないのでしょうか。

「そこまで長く待つ必要はないだろう。レギュラーとして100%の信頼を得てシーズンを戦うことで成長できる部分もあるので、シーズン中に決断したい。そう長くはかからないと思う」

――彼にとっては、いまがすごく大事な時期ですね。

「間違いない。私も監督として、彼をどういうふうに使い続けたらいい選手になれるのか、常にベストを尽くして考えている。彼が今年レギュラーを獲れば、また来年から競争し直すということはないと思う。私がレギュラーだと決めるということは、長年レギュラーとしていられる選手、それだけのポテンシャルを持っている選手だということ。だからこそ、決断をするためには多くのことを考えて、彼にベストのプレーを常にさせられるような采配をしていきたい」

――5割復帰をかけた試合では勝率が悪いというデータがあります。勝てば5割という意識がチームを固くしているのでしょうか?

「いい質問だ。その答えは明確で、『私にもわからない』(笑)。常にベストを尽くして戦っているが、ベストのピッチャーを出しても打たれてしまったりする。野球というものは当然、勝ったり負けたりの繰り返し。たまたま、勝てば5割という試合で負けの順番がきているだけなのだろう。いまのところ5割の壁を越えられていないが、一度越えさえすれば、チームは一気に上昇すると思う。5割の壁を越える日は、もうすぐ、確実にやって来る」(6月30日に5割復帰し、7月3日現在、貯金を2まで増やす)

――期待しています。

「実はいま、考えている構想があるんだ。まだ言うことはできないけれど、誰も想像がつかないような大きなプランだ。それを実行することで、一気にチームは上昇すると思っているよ。その中身については、また次回のインタビューで話そうじゃないか」(このインタビュー後、ラミレス監督は筒香選手を3番で起用するプランを報道陣に明かした)