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ラミレス・ノート
2017.5.31

 A.ラミレス監督が肌身離さず持ち歩くノート。そこには監督が感じたチームの全てが記されています。
 そのノートの中を覗くように、独占インタビューを実施。
 月に一回、“今”のベイスターズを客観的に分析し、優勝へ向けた次なる戦いの戦略をここだけに語る。

――5月は、セ・パ交流戦までの23試合で、11勝12敗という戦績でした。惜しくも勝ち越すことができなかった理由はどこにあると思いますか?

「安定性に欠けていたと感じている。ある試合では投打がかみ合って勝つことができても、次の日の試合ではかみ合わなくなる、ということが多かった。今永と濵口の若手2人になかなか勝ち星がつかなかったことが象徴的だが、先発陣も安定していなかった」

――いまのチームの課題はどこでしょうか。

「先発陣にもう少し頑張ってもらう必要がある。6回、7回まで投げるケースがまだまだ少ない。先発が5回かそれ以下のイニングしかもたないとなると、リリーフの負担が大きくなる。同じ投手が1週間のうちに3試合も4試合も登板するという状況にもなりかねないので、やはり先発陣がカギになると思う」

――12日のタイガース戦以降、カープ、ジャイアンツとの対戦が続き、8戦で2勝6敗と苦しめられました。上位チームとの差はどこにあると思いますか?

「投打がかみ合わなかったところが、そうした結果につながったのだろう。ただ、これは何かのきっかけですぐに変わるものだ。クローザーの投球が安定せず、逆転された試合も何度かあったが、それがなければ5割以上で戦えていたかもしれない。また打者に関しても、パフォーマンスが私の期待を下回っている選手が何人かいた。それらが苦戦した原因だったかなと思っている」

――たしかに、スランプにあえいだ選手は1人ではありませんでした。主砲の筒香選手は15打席連続ノーヒットのあと、18日からは試合を欠場するという事態に陥りました。

「発熱があり、股関節の痛みも出て、スタメンから外すことになった。そうなるとラインアップそのものを大きく見直さなければならず、それも戦いが安定性に欠けることになった一因だと思う」

――監督が、筒香選手を4番以外の打順に置くことはありえますか?

「それはない。筒香はチームの顔であり、絶対的に必要な選手だ。メンバー表の4番打者のところにスタンプを押しておいてもいいぐらい不動であり、ほかの打順にいることは考えられない。今シーズンはここまで、打率が2割7分前後、4本塁打、21打点といった成績で、多くの人は物足りなく感じるかもしれないが、29(チーム最多)もの四球を選ぶなど出塁率が高く、見えにくいところで安定的にチームに貢献してくれている。シーズンが終わるころには、『やっぱり筒香だな』という成績を必ず残してくれるだろう」

――桑原選手も不振の時期がありましたね。

「5月の後半は調子を上げてきたが、途中までは打点も少なく、2割以下の月間打率だった。リードオフマンとして彼が塁に出れば打線に勢いがつくのだが、なかなか出塁できないとなると得点も生まれにくい」

――スランプの要因としては、どんなことが考えられますか?

「レギュラーになって2年目というのは誰にとってもいちばん難しい年だ。去年は早いカウントからアグレッシブに打つことができていたのに、今年はストライクを見逃して、ボール球に手を出すケースが多く見られた。彼としては『なぜ打てない?』『何が起こっているんだ?』と感じているかもしれないが、対戦相手が彼のことを分析してくるのは当然であって、そういう時こそ相手以上に自分自身が分析し、勉強しなければならない。彼もそういうことは理解してきているようだし、このところは当たりも戻り始めている。ポテンシャルを考えれば、昨シーズン以上の成績を残してくれると信じている」

――桑原選手に何かアドバイスを送りましたか。

「まず打撃コーチの小川さんに相談し、小川さんから桑原に伝えるのが基本だ。私から言ったのは、ストレートをもっと狙え、そしてストライクを見逃すな、ということ。2ストライク後の打率がおそらく1割台なので、昨シーズン同様、アグレッシブに早いカウントから打つようにと話している」

――5月4日から、倉本選手を9番に置く打順を続けています。あらためて、その狙いを教えてください。

「9番に倉本、1番に桑原がいることによって、特に3回以降はリードオフマンが2人いるのと同じことになる。そして7番バッターに足の速い選手を起用することで、8番ピッチャーのバントの成功率が高くなる。バントで得点圏に走者を進めて倉本の打順になるわけだが、実際、そういった場面で彼が打ち、接戦をものにした試合もあったと記憶している」

――倉本選手の特徴と9番打者としての役割が合致しているということでしょうか?

「もちろん6番に置くのも悪くはない方法だが、彼はバントなどのスモールベースボール的な要素をあまり好まない。俊足ではないことが多い5番打者を塁に置いて倉本にバントさせるのは少々リスキーでもある。むしろ、倉本は初球からいい球がくれば積極的に振っていくフリースインガーのタイプであり、相手投手の右・左を気にすることなく打つことができる。9番を打って打点を稼ぐ。そういう役割を担う選手として、彼は効果的な活躍ができるのではないかと考えている」

――5月19日の試合でS.パットン選手がリードを守り切れなかったことを受けて、翌20日から山﨑康晃選手をクローザーに戻すことになりました。非常に難しい判断だったのではないかと思います。

「パットンはそこまで悪くはなかったが、クローザーに配置転換してから調子を落としてしまった。特に対戦カードが一巡してから、他チームの打者たちがパットンをあまり恐れていないように見えた。19日のジャイアンツ戦では、9回に2人の打者だけで1点を取られてしまった(二塁打、暴投、犠飛)。そのシーンを見ている時に、このままでは厳しい、やはり落ちるボールをもっている投手がクローザーを務めるべきではないかという考えになった。山﨑は落ちるボールをもっているし、セットアップに回ってから球速も上がった。何よりその時点で15試合連続無失点と好調だったので、もう一度、クローザーを変更することを決断した」

――一度決めたことを覆すのは勇気の要ることだったのではないでしょうか。

「もちろん、重い決断だ。だが最優先に考えるべきは『何がチームにとってベストなのか』、そして『勝つためにはどうすべきか』ということ。また、数字も私の決断を後押しした。現役時代を振り返ると、防御率が4点台のクローザーが出てきても怖さを感じなかった。逆に1点台のクローザーがマウンドに現れると、それだけで脅威を感じたものだった。そうした数字の面でも、防御率が1点を下回っていた山﨑にクローザーを託すべきだと考えた」

――監督の目から見て、5月の月間MVPは誰でしょうか。

「やはりJ.ロペスだ。打率も高く、本塁打もよく打って打点を稼いだ。また宮﨑もよくがんばってくれたと思う。投手部門からは山﨑を選出したい」

――セ・パ交流戦が幕を開けました。警戒しているのはどのチームですか?

「楽天だ。とても好調で、いかにも強そうに見える。ただ、ほかの5球団もいいチームばかりなので、交流戦はまず5割で乗り切ることが目標。それができれば、交流戦後のシーズンに勢いがつくと思う」

――5割の壁をなかなか越えられない展開が続いています。どこかで大きい連勝があると楽になりますね。

「それに越したことはないけれども、2連勝すら決して容易ではない。まず2連勝することができなければ、その先の4連勝、5連勝もないからね。いま、打線はかなり復調してきている。今後、投手たちの働きとうまくかみ合って、どんどん調子は上がってくるだろう。そのなかで、必ず大きな連勝もできるようになると思っている」