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FOR REAL-in progress-

決戦、はじまる。
-2017年度クライマックスシリーズ開幕!-

「FOR REAL-in progress-」
2017.10.13

 優勝を目指して戦う横浜DeNAベイスターズ。その裏側では何が起こっているのか。
 “in progress”=“現在進行形”の名の通り、チームの真実の姿をリアルタイムで描く、もう一つの「FOR REAL」。

刻一刻と、その時は近づいている。

 1年前、半分が青く染まった東京ドームでジャイアンツに競り勝ち、真っ赤に染まったマツダスタジアムでカープに屈した。秋、冬、春、夏と季節はめぐった。そしてまた、決戦の秋を迎える。ついに明日、クライマックスシリーズが幕を開ける。

2勝で決する超短期決戦のファーストステージ、注目はチームの勝ち頭に成長した2年目左腕、今永昇太だ。

 11勝7敗、防御率2.98の成績を残し、A.ラミレス監督も「最も難しいとされる2年目を乗り越えた。今シーズンの投手陣のキーマンになった」と全幅の信頼を置く。

 しかし本人は、順調に勝ち星を積み重ねながらも微かな違和感を抱いていた。
「後半戦、しっくりきてない感じがあって。それでも8勝、9勝、10勝とうまく連勝できていたんですけど、カープ戦(8月24日)でやられてから、ちょっと狂った部分はあります」

 原因は、骨盤の角度にあると突き止めた。投球時の右脚の上げ方を変えながら、骨盤が自分の求めるところにピタッとはまる感覚を探り続けた。
 ちょうどこのころ、ライオンズ菊池雄星投手の投球フォームが二段モーションにあたるとの指摘が審判部からなされたこともあり、脚の動きで状態の回復を図っていた今永のことを「二段モーションを気にしているのでは」と見る向きもあった。

 今永は明言する。
「正直、影響はゼロですね。そこじゃなくて、もっと違うところで悩んでいたので。相手のバッターが審判に『いまの止まってませんか』と聞いているのを見たことはありますけど、ぼく自身が審判に二段モーションをとられたことはありませんし、脚の動きが止まっているように見えたとしても自分の感覚では完全に止めてはいない。むしろ、バッターにとっては自分のフォームがそれぐらいイヤなんだろうなと、プラスに捉えるようにしています

 自身初の2ケタ勝利を達成してからの足踏みが、じっくりと自分に向き合う時間となった。9月24日のタイガース戦で38日ぶりの勝利を手にして、最終登板となった同30日のカープ戦も5回2/3を1失点にまとめた。

思うようにいかない時にどう立て直すか。その引き出しを増やしたことこそ、今永が2年目にして得た収穫だ。「もう修正はできました」と、決戦の地に旅立つ前の表情は晴れやかだった。

今シーズンの成績の中でも、「甲子園での防御率0.48」は際立っている。3試合、18回2/3を投げて自責点はわずかに1だ。

 CSファーストステージの結果を占ううえで心強い数字だが、24歳の左腕はその事実をお守りのようにポケットに入れて行くつもりはない。
「今年は甲子園という球場にも、阪神タイガース自体にも相性はいい。でも、そういうのは全部フラットに考えようと思っています。相性がいいから俺は大丈夫、という間違った捉え方はしないように。CSになったら、今年どれだけ勝ったとかはまったく意味がなくて、そういう数字は『ゼロ』になると思うんで

 1年前、ファーストステージ第2戦では好投を見せながらチームは接戦を落とした。ファイナルステージ第4戦では初回6失点と、試合をつくることができなかった。味方の反撃も及ばず、その試合を最後に2016年の戦いは閉じた。今永はこみ上げる涙で頬を濡らした。

 レギュラーシーズンとCSを完全に切り離す。それはつまり、彼の地に残した涙の跡は、CSという舞台でしか消せないということだ。

「一発勝負で負けたら終わりという緊張感は、シーズンの143試合では味わえない。去年、ぼくはその中で、すごく悔しい思いもしました。だから、そこでやり返さないとまったく意味がないと思う。そこで負けたら、今シーズン自分が投げてきた試合全部が無になる、何も評価してもらえない、それぐらいの気持ちでやらないといけないと思っています」

 ファイナルステージに進み、カープに勝ってこそ、昨年のリベンジはひとまず果たせたことになるのだろう。だが、先を見るのはまだ早い。甲子園の黒土にたしかな足跡を刻むことこそが、いま求められているものなのだ。
「もちろん、結果的には(ファーストステージを)通過点にしなければならないと思います。でも、まずはファーストステージでどれだけのことをできるかがいちばん大事。先のことよりも目の前の試合に集中したい」
 東京ドームが舞台だった昨年と違い、試合が開催される甲子園は横浜から遠い。あるいはスタンドのほとんどが黄色く染まるかもしれない。

それでも、現地に駆けつけるファン、横浜から声援を送るファンの熱は、きっと届く。その魂は、今永昇太の左腕に乗り移る。

横浜で再び雄姿を見せるべく、運命の決戦がいま始まる。