FEATURE
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ITOH
伊藤 光
ISSUETHREEFEATURE

「誰かが見ていてくれる」
怠らなかった戦う準備。

激動の一週間だった。
9日にトレード通達。遠征中のチームメイトに別れも告げられぬまま、
14日にベイスターズに合流すると迎えた16日。後半戦初戦の大事な一戦でスタメンマスクを任された。
新しいチーム、新しいサイン、初めて受けるピッチャー。
そんな不安はものとも見せず、伊藤選手は一軍の舞台でキラキラと輝いていた。

「しっかりやっていてよかった」
その言葉に全てが詰まっていた。
開幕こそ一軍で迎えたものの、4月中旬に登録抹消。
「もちろん二軍は一軍に上がるために練習をする場所なんですけど、やっぱりなかなかそういうのが見えない状況でもどかしかった」
と当時の状況を語る伊藤選手。
一軍登録を抹消されてすでに3ヶ月が過ぎていた。
なかなか出口の見えない苦しい日々も、きっと誰かが見ていてくれる、その思いで全力でプレーし続けた。
そんな伊藤選手の姿勢も評価され実現したトレードと、ベイスターズでのスタメン抜擢のチャンス。
「二軍にいるときも一軍にいるときと同じような気持ちでやっていたので、過ごしてきた時間は無駄じゃなかった。しっかりやっててよかったなって、こういうときに思えるんだなと。もし二軍で気を抜いたプレーをしていたら、きっと初めての試合も不安があったと思う。それがなかったのがよかった」
と振り返った。

初めてマスクを被った16日の試合。
古巣のバファローズのチームメイトたちも伊藤選手を応援していたという。
「向こうは17:00開始で早く試合が終わって、テレビで見てくれてた選手が連絡をくれたりして。他球団に行ってもそういうのは変わらないなって嬉しかったです」
古巣の仲間の応援の前で、初めて組む7人の投手をリードし、盗塁を刺し、移籍後初ヒットも記録した。
久しぶりの一軍の舞台で、水を得た魚のようにキラキラと輝いていた。

ちなみに14日にチームに合流してから激動の日々を送っていた伊藤選手。インタビューの日まではまだ他の選手とゆっくりご飯に行く機会もなかったのだとか。
「全然行ってないですね。覚えることがいっぱいで、、僕が余裕ないです。笑」
16日にスタメンマスクを被るまで、投手の持ち球、配球、サインプレー、ベンチからのサイン、相手の情報など、必死で頭に叩き込んでいたのだとか。
「このチームでは僕は結構年上のほうなので、年下には僕から声をかけなきゃいけないと思っているんですけど、ちょっと緊張しています。笑」
そう笑う伊藤選手、では、まずは誰から声をかけてみるのか?
「まずはピッチャーですね。普段の性格とマウンドでの性格も違うと思うので、分かり合えた方がいいと思うし」
クールで熱い。
伊藤選手のベイスターズでの歩みは始まったばかり。

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